寝起き時の肩こり、その原因と対策とは?

日本人の病気やケガなどの自覚症状調査で、女性の1位、男性の2位が「肩こり」※です。その原因としては、パソコンやスマートフォンの使用、運動不足、身体の冷え、姿勢の歪みなど、日中活動している間に生じることをイメージしがちです。はたして本当にそうでしょうか。

日本人の病気やケガなどの自覚症状調査について厚生労働省の「国民生活基礎調査(令和元年)」によると、女性の1位、男性の2位が「肩こり」です。その原因としては、パソコンやスマートフォンの使用、運動不足、身体の冷え、姿勢の歪みなど、日中活動している間に生じることをイメージしがちです。はたして本当にそうでしょうか。夜、眠っている間にその肩こりは癒されていますか?それどころか眠っている間に肩がこっているとしたら…意外と知られていない、寝ている間の肩こりの原因と対策についてご紹介します。

寝ている間に生じる肩こりの原因

寝ている間に起こる肩こりは、枕やマットレスに問題があると考えられます。人の頭の重さは、体重の10分の1程度にまでなります。体重50kgの人であれば約5kgです。お米5kg分と同じだと考えるとかなりな重さですよね。意外と重い頭を、寝ている間に支えるのは枕やマットレスなどの寝具です。この枕やマットレスが、「枕が高い」「横向きになった時に肩がマットレスに沈み込まない」といったように適したものでなければ、首や肩に負担がかかってしまいます。
原因としては主に4つ挙げられます。「(1)枕が高すぎる・低すぎる」「(2)寝返りがしにくい」「(3)適した姿勢を保てない」「(4)枕・マットレスが横向きに対応していない」です。

(1)枕が高すぎる・低すぎる

人が快眠できる枕の高さは、ベッドマットや敷布団と首の角度が約5度になる高さです。その角度になるようにどれくらいの高さの枕を使ったら良いかは、頭の大きさにもよるので人それぞれです。ベッドマットや敷布団から頭の後頭部までのこの高さが合わないと、首や肩・胸の筋肉に負荷がかかり、首や肩こりの原因になります。

(2)寝返りがしにくい

寝返りのしにくさも肩こりの原因の1つとなります。人は眠っている間にずっと姿勢を変えずにいると、同じ部位に体圧がかかります。すると血行が悪くなり生理的に寝返りをうちます。寝返りがしにくい枕やマットレスを使っていると同じ部位に体圧がかかり、腕のしびれや肩こりが生じる原因になります。

(3)適した姿勢を保てない

人は、寝ている間にさまざまな姿勢をとりますが、身体への負担が少ない姿勢は、背骨がなだらかなS字カーブを描いている状態です。それは、まっすぐ立っている時と同じ姿勢になります。マットレスによっては、身体が沈み込みすぎてしまって、S字ではなく緩やかなV字を描くような姿勢になってしまうことがあります。こうした姿勢で寝ていると、身体全体に負担がかかり、肩こりにも影響してしまいます。また、横向きに寝た時には、背骨と首のラインが、マットレスと平行にまっすぐになっているのが良い姿勢です。

(4)枕・マットレスが横向きに対応していない

横向きに寝た時には下側(マットレスに接する側)の肩に圧力がかかりますが、そのまま圧迫され続けてしまうと、身体の下敷きになり腕のしびれや肩こりが生じる原因になります。加えて、横向きになると頭の位置が高くなり、硬いマットレスで身体が沈まない場合には、枕に対して首が曲がった状態になってしまいます。そうなると当然、首だけでなく肩にも負担がかかってしまいます。こうした負担によって、肩こりを起こしています。

肩がこりにくい枕とマットレスとは?

上記の肩こりが生じる原因から、肩こりが生じにくい枕やマットレスを選ぶ際のポイントが見えてきます。

||||肩こりが生じにくい「枕」の選ぶポイントは?

  • ・ベッドに仰向けに寝た時に、首の角度が約5度になる
  • ・寝返りがしやすい

||||肩こりが生じにくい「マットレス」の選ぶポイントは?

  • ・寝返りがしやすい
  • ・仰向けに寝転がった時、立っている時と同じような姿勢がキープできる
  • ・横向きに寝た時に下側の肩がマットレスに沈み込む

これらのポイントを前提に、枕やマットレスを選ぶ時に、肩こりが生じにくいかどうかを確かめる方法をご紹介します。

肩がこりにくい枕かどうかの確かめ方

||||枕を試した時に首の角度が約5度になるのをチェックする方法

マットレスから首までの距離人が自然に立っている時の首の角度は約5度になります。枕を使って仰向けに寝ている時も、立っている時と同じように首の角度が約5度になるのが適した寝姿勢です。その時の枕の高さを測るにはどうすれば良いのでしょうか。まず、仰向けに寝ている時にマットレスから首がどれくらい離れているかを確認します。確認する方法としては、壁に背中をつけてまっすぐ立ち、壁から首が1番離れたところまでの長さを測ります。この首の裏の深さに合った枕を選ぶのがポイントです。その高さの枕に実際に寝た時に、視線が真上ではなくやや下を向いていれば適した枕の高さといえるでしょう。ただし、この数字や見分け方はあくまで目安です。頭の形や大きさ、枕のクッション性などによっても異なりますので、実際に枕を使って寝てみた時にマットレスと首の角度が約5度になっているか、そして苦しさを感じないか確認してみてください。

||||寝返りがしやすい枕の見分け方

寝返りでは仰向けから横向きになることもあるので、枕から頭が落ちないような幅と奥行きがあると良いでしょう。枕の幅は頭の約3つ分が目安です。枕の高さは、仰向けになっている時は、壁を背にして測った首のカーブの深さと同じぐらいがちょうど良いです。横向きになった時は、肩幅がある分、仰向けの時よりも高くなりますが、頭から背中にむかって首の骨がまっすぐな姿勢をキープできる高さがちょうど良いです。寝姿勢によっても求められる高さが変わってきます。パラマウントベッドは、寝返りがしやすい枕に求められるこれらの条件を形にしました。

詳しくはこちらのPILLOW by Active Sleepをご覧ください。

肩がこりにくいマットレスかどうかの確かめ方

||||寝返りがしやすいか

枕と同じように、寝返りのしやすさは肩への負担を少なくします。マットレスが柔らかすぎると身体が沈み込んでしまい寝返りがしにくくなるので、寝返りをしやすくするためにも、程よい硬さが必要です。また、マットレスの横幅が狭い場合も寝返りがしづらくなります。寝返りをするには、肩幅の左右それぞれにプラス20cmは必要です。肩幅の平均は、男性が約45cm、女性が約40cmですので、マットレスの横幅は、男性なら約85cm、女性なら約80cmはあった方が良いでしょう。

||||寝転がった時、立っている時と同じような姿勢がキープできるか

人が自然に立っている時には、背骨は緩やかなS字を描いています。寝る時の姿勢でもこのS字を保つことが大切です。柔らかすぎるマットレスの場合、仰向けに寝ると肩甲骨から腰にかけて必要以上に沈み込んでしまい、身体が緩やかなV字を描くような形になってしまいます。逆に硬すぎるマットレスの場合は、マットレスと接する頭や肩周り、腰、足に体圧がかかり、こりや痛みにつながるため、柔らかすぎず硬すぎない、身体にフィットする弾力性が必要です。

||||横向きに寝た時に下側の肩がマットレスに沈み込むか

横向きに寝ている時は、マットレスと接する下側の肩に体圧がかかります。この時、マットレスが硬すぎると肩が圧迫され、肩周りの筋肉が緊張するので、肩こりや肩の痛みにつながります。これを防ぐためにも、下側の肩の出っぱりは沈み込んで、腰のくびれた部分はしっかり支える弾力性が必要です。パラマウントベッドでは、独自の等反発技術で寝返りの時に肩が自然に沈み込むよう、マットレスの上部にいくつかのスリット加工をほどこしました。これにより、仰向けの時は背中をしっかりサポート、横向きになった時の肩の圧迫感を軽減します。

詳しくはこちらのスマートスリープ ライトをご覧ください。

朝目覚めた時に肩がこっていたら、あなたが使っている枕やマットレスが身体に合っていないかもしれません。新しい枕やマットレスをお探しになる時は、これらのポイントを参考にして、ご自身の身体に合ったものを探してみてはいかがでしょう。