「夕方になると靴がきつくなる」という経験はありませんか?足のむくみは、長時間立って接客を行う店員など、立ち仕事の方によく現れますが、実はデスクワークの人にも起きやすいのです。どちらにも共通しているのは長時間同じ姿勢をとっていること。足のむくみはどうして起きるのでしょうか?また、むくみを改善するにはどのような方法があるのかなどをご紹介いたします。
足がむくむ症状とは?身体への悪影響とは?
むくみは体内の水分バランスが崩れることにより、細胞と細胞の間に水分がたまることで起こる現象です。人間の身体は心臓から血液が動脈を使って全身の細胞へ酸素や栄養を送り出します。同時に細胞から排出された老廃物や二酸化炭素が静脈から心臓に戻されます。この流れで足から心臓に戻る血液は、ふくらはぎの筋肉により重力に逆らって戻りますが、何らかの原因によってうまくいかなくなると血液が停滞してむくみとなります。指先で足を押すとへこんだあとがつくのがむくみです。
一過性のむくみであれば1日で治ることが多く、さほど心配ありません。しかし、慢性的なむくみは、病気のサインとして現れる場合もありますので、
放置せず早めの受診をおすすめします。
足のむくみの原因とは?
病気以外だと何らかの原因により血流が悪くなることでむくみが起こります。
||||塩分のとりすぎ
塩分の高い食品はむくみの原因です。身体は塩分濃度を一定に保つ働きがあるので、塩分をとりすぎるとそれを薄めるために水分をため込みやすくなります。
厚生労働省が推奨する1日当たりの塩分摂取量は男性が8g未満、女性が7g未満となっています。しかし、厚生労働省の令和元年の国民調査によると塩分摂取量は男性が10.9g、女性が9.3gと高い状況です。
味の濃い食事が多いと、必然的に塩分の摂取量が増えていきます。塩分が強い食事ばかりだと、味覚も慣れてしまい塩味を感じにくくなり、さらに塩分を求める結果になりかねません。
||||お酒(アルコール)の飲み過ぎ
お酒を飲むと血管が拡張し、血管から水分が漏れ出し、むくみが生じやすくなります。また、塩分の濃いおつまみを一緒に摂取することで、塩分摂取が多くなり、むくみやすくなるわけです。さらにアルコールの分解には水が必要なので、飲酒後は水分を欲します。尿として排出される水分より多くの水分を摂取すると、さらにむくんでしまいます。
||||たんぱく質不足
ダイエットなどにより必要な栄養素のひとつであるたんぱく質が不足すると、血液中のアルブミンも不足し、むくみの原因になります。
||||ふくらはぎの筋力低下
ふくらはぎは血液を心臓に戻すポンプの役割をしているため、ふくらはぎの筋力が衰えるとポンプ機能が低下し、血液を循環させにくくなります。また、むくみは皮下脂肪のすき間にたまるので、脂肪の多い人ほどむくみやすいのですが、ダイエットによってむくみやすくなる場合もあります。過度な食事制限によるダイエットを行うと、栄養バランスが乱れやすく、筋肉も落ちてしまいかえってむくむこともあるのです。
||||女性特有のむくみ
女性は男性より筋肉量が少なく、心臓に戻すポンプ機能が弱いため足がむくみやすくなります。また、妊娠や生理などホルモンの影響もありむくみやすいといえるでしょう。
とくに妊娠中はむくみやすくなり、約30%の女性が妊娠中にむくみを感じています。生理中、むくみやすくなるのは女性ホルモンの一種である黄体ホルモンによるものです。生理前になると黄体ホルモンの分泌量が多くなり、身体に余分な水分がたまりやすいため、むくみやすくなります。
足のむくみの改善方法とは?
足がむくんでしまった場合の改善方法について紹介します。
||||マッサージ
足のむくみを改善するにはマッサージが効果的です。もむのではなく、なでるようにしてリンパ液の流れを改善します。両足を心臓より高い位置に上げ、ふくらはぎから太もも、お尻の下あたりまでをなでるように5分ほど、さすっていきます。イスに足を置いてマッサージすると良いでしょう。
||||足の運動
膝が90度になるようにイスに座り、両足のかかとをしっかりと持ち上げてゆっくりおろします。立ちっぱなしや座りっぱなしでいることが多い人は、1,2時間に1回行うだけでもむくみの改善に役立ちます。
||||足を高くする
足は重力の関係でむくみやすくなりがちです。足がむくんだら、足を心臓より上の位置になるようにします。足を高くすることで滞った血流が促されます。足の疲れも和らぐので、毎日行うのがおすすめです。
就寝時、足の下に10cm程度の座布団を敷いて眠りましょう。寝ている間にむくみを解消しやすくなります。パラマウントベッドが販売する「インタイム1000」は、膝の角度が調整できる機能を備えており、かかとを腰より高くできるベッドもございます。詳しくはこちらのインタイム1000(1+1モーターベッド)をご覧ください。
||||湯船につかる
身体を温めることで血流が促進されます。また、水圧により適度な圧がかかり、むくみが解消されるでしょう。湯船につかるのが難しい場合は、足元を温める足湯でも効果的です。
足のむくみの予防方法とは?
むくみを予防するには、生活習慣を改善する必要があります。
||||塩分は適度に
身体は常に塩分濃度を一定にする働きがあります。そのため、塩分の高い食事ばかりだと、身体は塩分を下げるために水分を多く取り込もうとし、余った水分がむくみになりやするわけです。外食や加工された食品は塩分が多く含まれているため、表示を確認するようにしましょう。酢やレモン、ハーブ、出汁などを使うと塩分を控えられます。さらに、ウリ科のすいかやきゅうり、冬瓜など、塩分を排出するカリウムを含む食材をとることも有効です。
||||お酒は適量に
お酒は一時的に血行をよくする効果はありますが、のどが渇きやすくなるため、水分を多くとってしまいます。また、お酒のつまみは塩分が高めです。お酒はほどほどにして休肝日を設けるようにしましょう。
||||適度な運動を
血流を良くするために日頃から身体を動かしましょう。ウォーキングや階段の昇り降りなどで、足の筋肉を鍛え、ポンプ機能を改善します。また、足の先を意識的に動かすと、ふくらはぎの筋肉が動くので血行が良くなります。デスクワークなら、イスに座った状態でかかとを上下する運動をしましょう。
||||身体を冷やさない
身体が冷えると血行が悪くなりむくみやすくなります。夏の冷房や冬の外気による冷えを避ける服装を意識してください。とくに足はむくみやすいので、レッグウォーマーやブランケットなどを使って足首やふくらはぎは冷やさないようにしてください。足が冷えたと感じたら湯船につかったり、足湯をしたりして身体を温めるようにしましょう。
冷たい飲み物も控えてください。夏場は暑いため、冷たい飲み物を飲みすぎると身体を冷やしてしまいます。また、お茶やコーヒーに含まれるカフェインは利尿作用があるため、ミネラルを排せつし、むくみにつながるので飲み過ぎには注意しましょう。
||||弾性ストッキングの着用
弾性ストッキングとは、足を圧迫するために作られた医療用ストッキングです。足の血流を改善する働きがあり、むくみ解消に効果があります。
むくみの原因は人それぞれ。原因もひとつだけではなく、いくつかの原因が重なってむくみとなる場合もあります。まずは、食事や運動などできる範囲から始めてみましょう。
もしも、むくみをつらいと感じる、動悸やしびれといった症状を伴う場合は、何らかの病気の可能性がありますので、自己判断せずに病院へ受診することをおすすめします。