ベッドの上でできるリハビリの運動とは?

長期間寝たきりの状態でいると、筋力や身体能力の低下といった問題が起こりやすくなります。とはいえ、身体の不自由な方にとって、身体能力の低下を防ぐために激しい運動を行うことは困難です。今回はベッドの上でも実践できる運動方法を紹介します。

長期間寝たきりの状態でいると、筋力や身体能力の低下といった問題が起こりやすくなります。とはいえ、身体の不自由な方にとって、身体能力の低下を防ぐために激しい運動を行うことは困難です。今回はベッドの上でも実践できる運動方法を紹介します。

筋力をつける運動の種類と方法

冒頭で述べた通り、ベッドの上で過ごす時間が長いと、身体機能が低下して結果的に寝たきりになりやすくなります。寝たきりを防ぐためには、ベッドの上でも実践できるリハビリ運動を取り入れることが大切です。以下では、効果的なリハビリの種類や実際の運動方法をまとめています。実際に運動をする際は、理学療法士や介護福祉士などの専門家に付き添ってもらいましょう。

||||等尺性訓練(アイソメトリック)

等尺性訓練とは、関節を動かさず筋肉を収縮させる運動です。イメージとしては、「鍵のかかった扉を押している状態」を想像すると、動作が把握しやすいでしょう。鍵がかかっているため扉は開かず、腕の関節も動きません。しかし、腕や手のひらには力が入っているため筋肉はしっかりと動いています。等尺性訓練は、関節がギプスなどで動かせない場合、痛みがあって動かすことが場合などに取り入れられる運動です。

特別なトレーニング器具を必要としないため、比較的取り組みやすい方法と言えます。かかる負荷はあくまでご自身の筋力のみであるため、安全性を保ちやすいのもポイントです。

||||等張性訓練(アイソトニック)

重りや自重など、一定の負荷を身体に与えて筋力を強化する運動です。等尺性訓練とは異なり、運動には関節を動かす動作が含まれています。ご自身の身体ひとつ、もしくは重りがあれば、すぐにでも実践できるのがポイントです。筋肉に効果的にアプローチできる運動が多く、筋力増強という目的に適した方法だと言えます。

運動へ移る前の準備

繰り返しになりますが、実際に運動をする際は、理学療法士や介護福祉士などの専門家に付き添ってもらいましょう。安静度や疾患のある部位、ADL(日常生活動作)のレベルを相談の上、都度適切なリハビリ方法を考えていきます。以下では、運動方法と具体的な手順をそれぞれ紹介します。

||||大腿四頭筋の運動

大腿四頭筋とは、太ももを構成する4つの筋肉「大腿直筋」、「中間広筋」、「内側広筋」、「外側広筋」を総称した用語です。大腿四頭筋の運動を行うことで、歩行に必要な筋肉が衰えるのを防げます。

  • 身体が床に対して60度程度の角度になるよう、脚を延ばした状態で座る
  • バスタオルを丸め、膝の下に置く
  • 両手で身体を支えながら、膝裏でタオルをしっかり押し込むようにして5秒間力を入れる
  • 5秒経ったら力を抜く
  • 10~20回を1セットとして、1日2セットを目標に実践しましょう。

||||腹筋運動

腰への負荷を抑えつつ、腹筋の衰えを防ぐポイントをご紹介します。

  • 両膝を軽く曲げる。お腹やおへそを見るように頭を上げる
  • ベッドから背中を離すように体を起こし、その姿勢を5秒間キープ
  • 5秒経ったら頭を戻す

1~3の動作を10回繰り返して、1セットとしましょう。1日2~3セットを目標に行うのがおすすめです。また、運動中にご自身がカウントを行うことで呼吸機能や心肺機能のリハビリにもなります。

||||下肢伸展挙上運動(SLR)

こちらも大腿四頭筋を鍛える運動です。

  • 仰向けの状態で横になり、できる限り膝を伸ばす(膝への負担を軽減するため、曲げてもOK)
  • 膝を伸ばしたまま、片足を上に持ち上げて5秒キープ
  • 5秒経ったら力を抜く
  • 1~3の動作を、左右交互に10回繰り返す

足を持ち上げた際、つま先を軽く反らすと大腿四頭筋に力が入るため、筋力へ効果的にアプローチできます。

日常動作を取り入れた運動とは

身体の部位を意識した運動だけではなく、日常動作を行うだけでも、筋力や身体能力の低下を防止しやすくなります。

||||離床トレーニング

心機能のケアや、視覚刺激による脳の活性化が期待できるリハビリ運動です。ベッドの背を無理のない状態まで起こしてみましょう。その状態で、タオルや丸めた新聞紙などの端を両手で握ります。そのまま肘を伸ばしていき、無理のない範囲で上へ持ち上げていきましょう。これを6回で1セット、1日2セットを目標に実施するのがおすすめです。

||||下肢の運動

ベッドに横になった状態で足をそろえます。片膝を曲げて、胸元に近づけるようにして引き寄せましょう。この動作を繰り返すだけでも、足腰の衰えにアプローチできます。その日の体調や筋肉・関節の状態を考慮しながら、適切な運動を実践していくと良いでしょう。

運動を行う際は介護ベッドの質にも着目しよう

こうした運動をスムーズに行うためには、介護ベッドの機能にこだわることも手です。

リクライニング機能がついていることはもちろん、足上げ機能や高さ調節機能があるとなお良いでしょう。パラマウントベッドのINTIME1000シリーズは、背上げ機能や膝上げ機能、高さ調節機能を搭載した介護ベッドです。背上げ機能を活用することで身体を無理なく起こすことができ、スムーズに離床トレーニングが行えます。高さ調節機能を使えば、足腰への負担を抑えてリハビリに取り組めるのもポイントです。INTIME1000の具体的な機能や特徴については、以下のページをご確認下さい。

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繰り返しになりますが、ベッドの上で過ごす時間が長くなり、運動量が減るとそれだけ身体が衰えやすくなります。筋力や身体能力の低下のリスクを抑えるためには、簡単なリハビリを少しずつ取り入れて心と身体をケアすることが大切なのです。